大人の うらやましい お酒を飲むという行為
近所に構えの良い酒を置いている販売店、いわゆる酒販店=酒屋
があった。

販売品の大方は当時、日本酒が多かったと記憶している。その酒販店は、親子で頑張って
いた気がする。
酒、一升瓶の配達、店売り、という販売ののスタイルと一角を仕切って長いテーブルがり、
立ち飲みをしていたと思う。
この一角にはぼんやりとした、明かりがつき背中だけを見せて、いろんな大人が恐らく酒を飲んで
いたんだと思う。
子供の視線でのことで、
大きな暖簾の隙間に、立って飲んでいる大人の背中と足だけが何人か見える。
なんだか、怪しく、楽しげであったように見えた。
寒い日の、外から見える店の明かりは、暖かに感じた。

母方の祖父の命令で、焼酎を買いにお使いで店に来たことを覚えている。そんなことは年に
2,3度で、用事というものは全くと言っていいほどなかった。
日本名門酒会というのに加盟しており、玄関中央上の、軒に松の円いカットのデザインが下げてあった。
たぶん、うまい地酒を用意できるよということに違いない。
他にも、いろいろと店に商品が並べてあり、興味深かった。トリスの人形とか。サッポロビール
の昔のポスター宣伝だとか。
外からもガラス越しに若干は店舗の中が見えたけれど、じっくり見れるのは
用事で中に入ったときである。

祭りの時と選挙の時は、いっそう忙しく活気があった。
本物のたる酒が結構おいてあり、町内の若い衆がおいしそうに酒を飲むところを何度も見た。
樽酒はその香りもぷんぷんしてくるので、いっそう美味しそうなのだ。これは祭りの時だが、
選挙の時はいっそう大きな樽の酒も興味深かった。がそんなには数が無く、
一升瓶が圧倒的に多い。
30代東京勤務で、ちらほら見ると敢えてそれ用に作った立ち飲み屋がけっこうあったけれど、
基本は、酒屋さんの店中に一角、コーナーでちょいと飲ませるというのがそもそもである。
品川にそのそもそもの立ち飲み屋があり、たいして飲めないのに行って、飲んだ。
酒や食い物に囲まれていると、安心する。乾きものがつまみだが、チーズや魚肉ソーセージが
中心だが、常に現金 金との交換だ。調子に乗ると結構酔いが回る。

発泡酒ではなく、ビールにいくつかのつまみで400~500円でおつり。
お店のご主人も、店番で離れるわけにはいかないので、暇つぶし半分、少々の売り上げ半分で、
嫌いじゃないよと顔に書いてありましたが、やはり大変な仕事です。
のんべーを相手なので、腹も立つし、よくやっているというのが実際と思う。そこで、
この立って飲んでいるというのが大きい。椅子に座らせないのが、ポイントなんだね。
毎日のことだし、宿命と思いやっているのでしょう。

自分のように20分で、顔が真っ赤となり心臓どきどきとなり、すぐ眠くなる奴には
まーどんな処も向くところはないけれど、嫌いじゃないというのが不思議なんだよね。
それも、仲間がいればおいしいお酒となる。その仲間もせいぜい2人だね。それ以上だと結局話す
グループは分かれてしまう。
世の中、楽しみ方はいろいろあるね。一人じゃ、やっぱり面白くないことも多いけれど。
ビンボー臭いとか、あまりこだわらずに、肩ひじ張らずに楽しむべし。